目次
- 不育症の定義
- 不妊症との違い
- 不育症検査が必要となるケース
- 不育症検査助成金とは
- 不育症検査助成制度の目的
- 経済的負担の軽減と検査のハードルを下げるため
- 次回の妊娠に向けた安心の確保と少子化対策
- 国と自治体の支援内容
- 国(こども家庭庁)の支援内容
- 自治体(都道府県・市区町村)の支援内容
- 対象となる人の基本条件
- 申請時の注意ポイント
- もらえる金額(助成額)の目安はいくら?
- 不育症検査助成金の対象となる検査
- 先進医療として実施される検査
- その他対象となる検査
- 不育症検査助成金の補助額
- 助成上限額
- 自己負担額の目安
- 自治体ごとの違い
- まずは地元自治体のページをチェック
- 不育症検査助成金の対象者は?
- ①全国共通の必須要件
- 2回以上の流産または死産の経験があること
- 指定の医療機関で対象の検査を受けていること
- ②自治体ごとの要件(住所・婚姻関係など)
- 住民登録(住所の条件)
- 婚姻関係(事実婚も対象)
- ③年齢制限と助成回数について(ここがポイント)
- 先進医療の検査(国の基本モデル)を受ける場合
- 自治体独自の一般検査(基本スクリーニング検査)の助成を受ける場合
- 不育症検査助成金の申請方法
- ①医療機関で検査を受ける
- ②必要書類の取得・手配
- ③自治体へ申請(郵送・電子申請)
- ④審査・振込
- 必要書類
- 申請期限
- よくある申請ミス
- 自治体ごとの不育症検査助成制度
- 東京都の事例
- 大阪府の事例
- 名古屋市の事例
- その他自治体の事例
- 不育症に関するその他の支援制度
- 不妊治療費助成
- 高額療養費制度
- 医療費控除
- 不育症検査助成金に関するQ&A
- Q1. 不育症検査は保険適用ですか?
- Q2. 不育症検査 助成金はいくら受け取れますか?
- Q3. 夫婦のどちらが申請してもよいですか?
- Q4. 検査後でも申請できますか?
- Q5. 他の助成制度と併用できますか?
- Q6. 自治体によって助成内容は違いますか?
- 関連コラム一覧
不育症の定義
不育症とは、妊娠はするものの、
流産
死産
生後間もない新生児死亡を繰り返してしまい、結果的に赤ちゃんを無事に授かることができない
という状態を指します。

一般的には、以下のような基準が目安とされています。
2回連続して流産を繰り返す場合(反復流産)
3回以上連続して流産を繰り返す場合(習慣流産)
不妊症が妊娠しにくい状態を指すのに対し、不育症は妊娠はできるけれど、維持することが難しい状態という違いがあります。
2回以上の流産を経験される割合は、妊娠を希望する女性の約4〜5%と言われており、決して珍しいことではありません。
また、適切な検査や治療を行うことで、多くの方が次回以降の妊娠で無事に出産を迎えることができています。
不妊症との違い
不妊症と不育症は混同されやすい言葉ですが、医学的にはどの段階でつまずいているかという明確な違いがあります。
項目 | 不妊症 | 不育症 |
主な状態 | 妊娠そのものが成立しにくい | 妊娠はするが、 継続が難しい |
一般的な定義 | 避妊をせずに一般的な性生活を 行っているにもかかわらず、1年間妊娠しない状態。 | 妊娠はするものの、 流産や死産、 新生児死亡を 繰り返す状態。 |
原因の所在 | 精子と卵子の出会い(受精)や、 子宮への着床の段階。 | 着床した後の、 胎児の成長や 維持の段階。 |
簡単に言うと、授かるためのアプローチが必要なのが不妊症、育てるためのサポートが必要なのが不育症です。
不育症検査が必要となるケース
多くの場合、以下のケースに該当したタイミングで不育症のスクリーニング(原因特定のための検査)が推奨されます。
2回以上の連続した流産(反復流産)を経験した場合→以前は3回以上(習慣流産)が基準とされていましたが、現在は2回連続した時点で検査を検討することが一般的。
体外受精で良好な胚(良好胚)を何度も移植しているにもかかわらず、化学流産などを繰り返す場合→受精卵の質に問題がないにもかかわらず妊娠が維持できない場合、母体側に不育症の原因が隠れている可能性がある。
1回以上の妊娠中期・後期での死産、または早期新生児死亡を経験した場合→妊娠10週以降の比較的お腹が大きくなってからの流産・死産や、生後1週間以内に赤ちゃんを亡くされた場合は、1回であっても検査が考慮される。
流産の多くは偶発的な受精卵の染色体異常が原因ですが、繰り返す場合は母体側の因子(抗リン脂質抗体症候群、子宮の形態異常、内分泌異常など)が関わっているケースがあります。
検査を行うことで、原因に応じた
適切な治療
ヘパリン・アスピリン療法
などの予防策を講じることが可能です。
不育症検査助成金とは
不育症検査助成金(不育症検査費用助成事業)とは、高額になりがちな不育症の検査費用について、国や自治体がその一部を補助してくれる制度です。
流産を繰り返して不安を抱える方の経済的な負担を減らし、次の妊娠に向けた一歩をサポートすることを目的としています。

出典:抗ネオセルフβ2グリコプロテインI複合体抗体検査について
不育症検査助成制度の目的
この制度には、主に2つの大きな目的があります。
経済的負担の軽減と検査のハードルを下げるため
不育症の先進医療検査は全額自己負担(自由診療)となるため、数万円〜10万円以上の高額な費用がかかります。
流産という精神的なダメージに加え、費用の面で検査を躊躇してしまうリスクを減らし、誰もが安心して適切な原因究明の検査を受けられるようにすることが目的です。
次回の妊娠に向けた安心の確保と少子化対策
不育症は、適切な検査で原因を見つけ、それに応じた治療やケア(アスピリン療法など)を行うことで、多くの方が無事に出産を迎えることが可能です。
なぜ繰り返してしまうのかという原因を特定し、次の妊娠へ前向きに一歩を踏み出せるよう医学的・経済的に支援することは、国の重要な少子化対策・成育医療の一環でもあります。
国と自治体の支援内容
不育症の助成制度は、国がベースとなる仕組み(財政支援)を作り、各自治体(都道府県・市区町村)が実際の窓口となって運営するという形で成り立っています。
国(こども家庭庁)の支援内容
国は、効果や安全性が一定程度認められた先進医療の不育症検査について、地方自治体が実施する助成事業に対して国庫から補助(財政的なバックアップ)を行っています。
また、どの医療機関でも均質な先進医療が受けられるよう、実施医療機関の承認・告示管理を行っています。
自治体(都道府県・市区町村)の支援内容
実際の申請受付や給付は自治体が行いますが、地域によっては国が定める基準よりもさらに手厚い独自の上乗せ支援を行っているのが特徴です。
◆検査対象の拡充
先進医療だけでなく、保険適用外となる通常のスクリーニング検査(子宮形態検査、夫婦の染色体検査など)まで幅広く助成対象(東京都では上限5万円など)に含めている自治体が数多くあります。
治療費への助成→検査費用だけでなく、その後の不育症治療にかかった費用(保険適用外の薬代など)まで一部補助してくれる市区町村もある。
年齢・回数制限の緩和→先進医療の検査に関しては年齢や回数に制限を設けない自治体が増えており、より広く門戸を開く支援体制が整えられている。
◆自治体ごとの違いに注意
国の基本方針はあるものの、実際の
助成金額
対象となる検査・治療の範囲
申請期限(検査終了から〇日以内、または年度内など)
は、お住まいの自治体によって一律ではありません。
検査を受ける前に、必ず地元の自治体(保健所や子ども家庭課など)の公式ウェブサイトで最新の要件を確認することをおすすめします。
対象となる人の基本条件
自治体によって細かな違いはありますが、多くは以下の条件をすべて満たす必要があります。
申請時に、その自治体(都道府県や市区町村)に住民票がある
厚生労働省が承認した先進医療を実施している医療機関で検査を受けている
2回以上の流産や死産の経験があること(または医師に不育症と診断されている)
かつては所得制限が設けられている地域もありましたが、現在は所得制限を撤廃(一律で助成)する自治体がほとんどです。
また、年齢制限(妻の年齢が43歳未満など)を設けている地域と、先進医療に関しては年齢不問としている地域に分かれます。
申請時の注意ポイント
事前の医療機関確認が必要→国が指定する先進医療の届出・承認医療機関以外で受けた検査は、助成金の対象にならないため注意が必要。
申請の期限が短い→検査が終了した日から60日以内や、検査終了日の属する年度内(3月末まで)など、申請期限が厳しく決まっている。領収書をもらったら早めの手続きが必要。
治療費は対象外→この制度はあくまで原因を調べるための検査費用への助成。その後の薬代や注射代などの不育症の治療費は対象外となるケースが多い(※一部の市町村では独自に治療費まで上乗せ助成している場合がある)。
お住まいの都道府県や市区町村の保健所・健康増進課などのウェブサイトで自治体名 不育症検査 助成と検索すると、一番確実で最新の詳しい条件や申請書類を確認することが可能です。
もらえる金額(助成額)の目安はいくら?
国の基本方針に沿った一般的な上限額は以下の通りです。
助成額→検査費用の7割
上限額→1回の検査につき最大6万円
たとえば、先進医療の検査に8万円かかった場合、その7割の56,000円が助成金として戻ってきます。
みんなの補助金コンシェルジュでは、自治体ごとに異なる助成金制度の調査をサポートしています。
不育症検査助成金の最新情報を知りたい方はぜひご利用ください。
不育症検査助成金の対象となる検査
公的な助成金が出る検査は主に、
国が定めた先進医療
自治体が独自に幅広く対象としている基本検査
に分かれます。
先進医療として実施される検査
厚生労働省が先進医療として告示し、将来的な保険適用を目指して研究・実施されている検査です。
国の助成金制度のコアとなる部分で、主に以下の2つが指定されています。造変化(転座など)を調べる。
検査区分 | 検査名 | 検査の概要・主な項目 |
先進医療 | 抗ネオセルフβ2GPⅠ複合体抗体検査 | 従来の検査では見つからなかったリスクを 発見する新しい血液検査。 |
先進医療 | 流死産検体を用いた遺伝子検査(NGS) | 流産時の絨毛などの組織から、 赤ちゃん側の染色体異常を高精度に調べる。 |
一般・スクリーニング | 染色体検査 | 夫婦それぞれの血液から、 流産の原因となる染色体の構造変化(転座など)を調べる。 |
一般・スクリーニング | 血液凝固異常検査 | 血栓の作りやすさを確認 (第XII因子、プロテインC/S、ループスACなど)。 |
その他対象となる検査
上記のほかにも、以下のような原因を突き止めるための基本スクリーニング検査が、多くの自治体で助成対象に含まれています。
子宮形態検査→子宮の形に生まれつきの異常(双角子宮など)や中隔がないか、経膣超音波やMRI、子宮卵管造影などで確認する。
内分泌(ホルモン)検査→妊娠の維持に欠かせない甲状腺ホルモンや、黄体ホルモン、血糖値(糖尿病の有無)などを血液検査で調べる。
不育症検査助成金の補助額
検査にかかる総額や、実際に窓口で支払う金額、自治体ごとの支援の違いの目安です。
助成上限額
国の基本モデル(先進医療不育症検査費助成)では、1回の検査にかかった費用の7割(上限6万円)までが助成されます。
また、自治体が独自に行っている一般スクリーニング検査の助成枠では、1回につき上限5万円などと一律の上限額が設定されていることが多いです。
自己負担額の目安
不育症の検査は、一部保険が適用されるものもありますが、先進医療や特殊な検査は全額自己負担(自由診療)です。
総額の目安→受ける検査の範囲によって、数万円〜10万円以上(夫婦で染色体検査等まで行うと高額になりやすい)。
実際の自己負担→たとえば、先進医療の遺伝子検査に8万円かかった場合、7割の56,000円が助成されるため、実質の自己負担は24,000円程度まで抑えられる。
自治体ごとの違い
この制度は、お住まいの地域によって受けられる手厚さにかなり差があります。
申請期限→検査終了日から60日以内とする地域や、検査を終えた年度の3月末までとする地域など、期限のルールが異なる。
年齢・回数の制限→先進医療枠は基本的に年齢制限なし・回数制限なしのところが多いが、一般検査枠では検査開始日に妻の年齢が43歳未満、夫婦1組につき1回限りといった条件がつくケースが目立つ。
対象範囲の違い→ 国の方針通り先進医療のみを助成する自治体と、東京都などのように保険適用外の基本検査(染色体や凝固系など)まで幅広く一律で助成(上限5万円など)してくれる自治体がある。
まずは地元自治体のページをチェック
助成金を申請するには、国や自治体から承認された指定医療機関で検査を受ける必要があります。
検査を開始する前に、お住まいの都道府県や市区町村の公式ウェブサイト(保健所や子ども家庭課のページ)で
申請の期限
対象となる医療機関の一覧
を必ず確認してください。
不育症検査助成金の対象者は?
不育症検査助成金(不育症検査費用助成事業)の対象者となるための基本的な条件について解説します。
この助成金は、国の先進医療に対する支援モデルをベースに各自治体が実施しているため、
全国共通の必須要件
地域によって異なる自治体ごとの要件
があります。
①全国共通の必須要件
国(こども家庭庁)の基準に準拠した不育症検査(主に先進医療検査)の助成を受ける場合、以下の2つの条件をクリアしている必要があります。
2回以上の流産または死産の経験があること
医学的な不育症の定義に基づき、原則として過去に2回以上の流産・死産(または早期新生児死亡)の既往がある方が対象です。
※なお、妊娠検査薬で陽性が出たものの超音波で胎嚢(たいのう)が確認できる前に流産となってしまった生化学的妊娠(化学流産)については、多くの自治体で回数にカウントされません。
指定の医療機関で対象の検査を受けていること
厚生労働省から先進医療の実施医療機関として正式に承認・届出されている保険医療機関で検査を受けた場合に限られます。
②自治体ごとの要件(住所・婚姻関係など)
実際の申請窓口となる
都道府県
市区町村
ごとに、以下のような条件が設けられています。
住民登録(住所の条件)
申請の時点(または検査開始から申請日までの間)、助成を申請する自治体に継続して住民票があることが必須条件です。
婚姻関係(事実婚も対象)
法律上の婚姻関係(法律婚)にある夫婦だけでなく、事実婚(婚姻届は出していないが共同生活を送っている)のカップルも対象に含める自治体がほとんどです。
※事実婚の場合は、住民票の続柄に
他に法律上の配偶者がいないこと
未届の夫(妻)といった記載があること
の申立書が求められる場合があります。
また、さいたま市などのように婚姻関係を問わず女性単独での申請も可能としている自治体もあります。
③年齢制限と助成回数について(ここがポイント)
不妊治療の助成金(保険適用)などでは妻の年齢が43歳未満といった厳しい制限がありますが、不育症の助成金については、受ける検査の種類(枠組み)によって扱いが大きく分かれます。
先進医療の検査(国の基本モデル)を受ける場合
年齢制限→原則として年齢制限はない。
回数制限→通算の助成回数に制限を設けていない自治体が主流(検査を受けるごとに毎回申請が可能)。
自治体独自の一般検査(基本スクリーニング検査)の助成を受ける場合
東京都などのように、先進医療以外の基本検査(染色体検査や内分泌検査など)まで幅広くカバーしてくれる自治体独自の助成枠を利用する場合、以下のような制限がつくことが一般的です。
年齢制限→検査開始日において妻の年齢が43歳未満などの制限がつくケースがある。
回数制限→夫婦1組につき1回限り(または年度内1回)といった上限が設けられていることが多い。
◆所得制限について
以前は夫婦の合計所得に制限が設けられていた時期もありましたが、現在は国の方針により所得制限は原則として撤廃(一律で助成)されています。
※申請には検査終了日から〇日以内などの期限が厳しく定められています。
条件に該当しそうな場合は、検査を検討する段階でお住まいの自治体(保健所や子ども家庭課など)の公式ウェブサイトで正確な対象者要件をご確認ください。
みんなの補助金コンシェルジュでは、補助金・助成金の専門スタッフが申請に役立つ情報をご提供しています。
制度選びでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
不育症検査助成金の申請方法
助成金を受け取るためには、必要書類を揃えて期限内に自治体へ申請する必要があります。
以下は、不育症の検査を受け、助成金が口座に振り込まれるまでの一般的な流れです。
①医療機関で検査を受ける
厚生労働省が指定する先進医療実施医療機関など、要件を満たす病院で対象の不育症検査を受け、窓口で一度全額を支払います。
②必要書類の取得・手配
病院に受診等証明書の記入を依頼し(発行に数週間かかることがあります)、役所で
住民票
戸籍謄本
を取得します。
③自治体へ申請(郵送・電子申請)
お住まいの自治体の指定窓口へ必要書類を提出します。
最近はスマホやパソコンからできる電子申請(LoGoフォームなど)を導入する自治体が増えています。
④審査・振込
自治体での審査(約1〜2ヶ月)を経て承認されると、決定通知書が届き、その後指定した口座に助成金が振り込まれます。
必要書類
自治体によって多少異なりますが、一般的に以下の書類が必須です。
振込先口座の通帳やキャッシュカードのコピー
医療機関が発行した領収書・診療明細書の原本
戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)(婚姻関係を確認するため)
不育症検査費用助成申請書(自治体のホームページからダウンロード可能)
住民票の写し(夫婦の住所・続柄が確認できるもの、マイナンバー記載なし)
不育症検査助成事業受診等証明書(受診した医療機関に記入してもらう書類)
※事実婚の場合は、事実上の婚姻関係にあることの申立書が追加で必要です。
申請期限
期限のルールは自治体によって大きく2つのパターンに分かれます。
1日でも過ぎると受理されないため、最も注意が必要なポイントです。
パターンA(期間縛り)→検査が終了した日から6ヶ月以内など(東京都など)。
パターンB(年度縛り)→検査を終えた年度の4月30日まで(または3月末まで)など(大阪府の一部の市など)。
よくある申請ミス
病院の証明書もらい忘れ・遅れ→病院に証明書を書いてもらうのに思いのほか時間がかかり、申請期限を過ぎてしまうケース。
領収書の紛失→確定申告(医療費控除)に回してしまい、原本が手元になくなるケース(助成金申請を先に行うのが鉄則です)。
対象外の医療機関での検査→国や自治体が指定する先進医療認定クリニック以外で検査を受けてしまい、助成対象外になるケース。
化学流産を回数にカウント→2回の流産経験が必要な場合、妊娠検査薬でのみ陽性が出た生化学的妊娠(化学流産)をカウントしてしまい、対象者要件を満たさないと判定されるケース。
自治体ごとの不育症検査助成制度
国の基準(先進医療の7割・最大6万円補助)に加え、自治体ごとに独自の上乗せや、一般検査への支援を行っています。
東京都の事例
東京都は、全国でも特に手厚い助成制度を整えています。
一般検査への助成→先進医療だけでなく、
内分泌検査
子宮形態検査
夫婦の染色体検査
抗リン脂質抗体検査
などの基本スクリーニング検査も対象です。
期限→検査終了日から6ヶ月以内。原則として電子申請(LoGoフォーム)が可能。
助成額→通常の検査は最大5万円(夫婦1組につき1回)。先進医療検査は費用の7割・最大6万円(回数制限なし)。
大阪府の事例
大阪府内(大阪市、堺市、高槻市、吹田市など各市町村が窓口)では、主に国の基本モデルに準じた手厚い支援を展開しています。
助成額→検査費用の7割・上限6万円。
期限→多くの市で受検した年度の翌4月末までなど年度区切りの期限が採用されている。
対象検査→主に先進医療に指定された不育症検査(流死産絨毛の遺伝子検査、抗ネオセルフβ2GPⅠ抗体検査など)。
名古屋市の事例
愛知県名古屋市でも、先進医療としての不育症検査へのサポートを適切に行っています。
対象検査→国が告示する不育症の先進医療検査。
助成額→1回の検査費用の7割(千円未満切り捨て)、上限6万円。
特徴→近隣の北名古屋市などでは、検査だけでなく保険適用外の不育症治療(薬代など)の2分の1・上限5万円を助成する制度を持つ自治体もあり、愛知県内でも地域ごとに独自の治療費サポートが存在する。
その他自治体の事例
一部の地方自治体(市区町村)では、国や都道府県の制度とは別に、独自の治療費上乗せ助成を行っているところがあります。検査後の
ヘパリン注射
アスピリン療法
など、保険適用外になる高額な薬物療法に対して、年間5万〜10万円を上限に独自に補助を出す自治体もあるため、市町村の広報やホームページの確認が欠かせません。
不育症に関するその他の支援制度
検査費用の助成金以外にも、活用できる可能性のある公的・一律の制度があります。
不妊治療費助成
不育症そのものの治療ではなく、体外受精や顕微授精などの不妊治療を行っている方向けの制度です。
2022年から不妊治療は保険適用(3割負担)となりましたが、東京都をはじめとする一部の自治体では、2026年4月より保険診療の自己負担分や併用した先進医療費について、1回につき最大15万円まで全額(10割)相当を助成するといった大幅な拡充が進んでいます。
体外受精を伴う不育症治療の場合、これらと組み合わせて負担を大きく減らせます。
高額療養費制度
不育症の検査や治療の中で、保険診療の対象となる部分(一般的な血液検査や一部の処置など)の自己負担額が、同じ月に一定の基準(年齢や所得によって異なる。一般的な所得であれば月約8万円)を超えた場合、超えた分が後から健保から払い戻される制度です。
※ただし、助成金のコアとなる先進医療や自由診療の検査費用は、この高額療養費の対象(合算)には含まれません。
医療費控除
1年間(1月1日〜12月31日)に支払った世帯の医療費総額が、原則として10万円を超えた場合、確定申告をすることで所得税の一部が還付(または翌年の住民税が軽減)される税制上の制度です。
計算の注意点→自治体から受け取った不育症検査助成金の金額は、かかった医療費の総額から差し引いて申告する必要がある。
不育症での扱い→保険適用・自由診療(先進医療)に関わらず、医師が必要と認めた不育症の検査費や治療費はすべて医療費控除の対象になる。
不育症検査助成金に関するQ&A
Q1. 不育症検査は保険適用ですか?
A. 一部は保険適用ですが、多くは全額自己負担(自由診療・先進医療)です。
一般的な内分泌(ホルモン)検査や一部の凝固系検査などは保険が使えますが、
夫婦の染色体検査
助成金の対象となる流死産絨毛の遺伝子検査(先進医療)
などは保険が効かないため、高額になりやすいのが現状です。
Q2. 不育症検査 助成金はいくら受け取れますか?
A. 先進医療の場合はかかった費用の7割(上限6万円)が基本です。
自治体独自の基本検査枠(東京都など)を使う場合は、一律で最大5万円など、枠組みや検査内容によって受け取れる金額が変わります。
Q3. 夫婦のどちらが申請してもよいですか?
A. 原則として、検査を受けた女性(妻)、または夫婦連名での申請となります。
不育症検査は主に女性の体に対して行われるため、申請者や振込口座は妻の名義を基本とする自治体が多いです。
ただし、夫婦の染色体検査などで夫も受診した場合は、夫の分の
領収書
証明書
を添えて一緒に申請できます。
Q4. 検査後でも申請できますか?
A. はい、すべて検査を受けて支払いを済ませた後に申請する仕組みです。
事前の申請はできません。
ただし、上述の通り検査終了日から6ヶ月以内などの厳しい期限があるため、すべての検査結果が出て領収書が揃ったら、すぐに書類の準備を始める必要があります。
Q5. 他の助成制度と併用できますか?
A. 同じ検査項目に対して複数の助成金を二重に受け取ることはできません。ただし、
国の先進医療助成枠
自治体独自の一般検査助成枠
を、それぞれの検査内容ごとに分けて別々に申請すること(併用)は可能です。
また、助成金を受け取った残りの自己負担した金額については、医療費控除を併用して申告できます。
Q6. 自治体によって助成内容は違いますか?
A. はい、かなり異なります。
国の基本モデル(先進医療の7割・上限6万)は全国共通で実施されていますが、それ以外の
染色体検査なども対象に含めるか
独自の不育症治療費(薬代)まで補助するか
といった上乗せ支援の有無は、都道府県や市区町村の財政や方針によって大きく差があります。
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監修者からのワンポイントアドバイス
不育症検査助成金は、流産や死産を繰り返す方の経済的・精神的負担を軽減し、次の妊娠への一歩を支えるための大切な制度です。国の先進医療を対象としたモデル(費用の7割・上限6万円)に加え、自治体によっては保険適用外の基本スクリーニング検査まで幅広くカバーする独自の上乗せ支援(上限5万円など)を行っています。

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

