民泊で使える補助金は?個人でも使える制度もある? | みんなの補助金コンシェルジュ

民泊で使える補助金は?個人でも使える制度もある?

民泊の開業に活用できる国と自治体の補助金を紹介します。

執筆: 梅沢 博香公開日: 2026-03-31
民泊で使える補助金は?個人でも使える制度もある?
井上 卓也カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

ポイント

  • 個人事業主の民泊開業に使える補助金には、国の制度と地方自治体の2種類がある

  • 国の補助金は、すでに別の事業を営んでいる方向きの制度

  • 自治体の補助金は、これから新しく開業する方も対象になることが多い

民泊に使える補助金は?

民泊の開業に活用できる補助金には、「国の補助金」「自治体の補助金」の2種類があります。

どちらを選ぶべきかは、「すでに事業を行っているか」開業の目的などの視点で判断しましょう。

選ぶポイント

国の補助金(持続化補助金など)

自治体の補助金

開業状況

すでに別の事業を営んでいる方向き(創業予定者は原則対象外)

これから新しく開業する方も対象になることが多い

主な目的

販路開拓や業務効率化

地域の活性化、移住促進、空き家活用

民泊を開業する場所

日本全国どこでも申請が可能

補助金を実施している特定の自治体に限られる

補助額

大きい

小さい

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民泊に使える国の補助金は?

民泊の開業に活用できる国の補助金は、主に次の2つです。

  • 小規模事業者持続化補助金

  • 新事業進出補助金

どちらも個人事業主でも活用できます。現在の事業規模や開業の目的などの視点で選択しましょう。

項目

小規模事業者持続化補助金

新事業進出補助金

主な目的

販路開拓・業務効率化

新市場への進出・高付加価値化

補助上限額

最大250万円

最大9,000万円

補助率

原則2/3

原則1/2

対象者

従業員20人以下

従業員200人以下など

主な要件

すでに事業を行っていること

創業1年以上・従業員1名以上

活用例

HP作成、看板設置、小規模改修

大規模リノベーション、施設整備

小規模事業者持続化補助金がおすすめ方

  • 個人事業主や家族経営などの小規模事業者

  • すでに事業を行っている(民泊または他事業)

  • 数十万円〜数百万円程度の投資を考えている

例えば、次のようなケースです。

  • 予約サイトを新しく作りたい

  • 客室の一部を改修したい

  • 看板や広告で集客を強化したい

創業前の方は対象外ですが、既存事業の販路拡大として民泊を始める場合は対象になる可能性があります。

新事業進出補助金がおすすめ方

  • 従業員が1名以上おり、決算実績がある(一人で全ての業務を行う個人事業主は不可)

  • 既存事業とは異なる新しいビジネスに挑戦したい

  • 1,500万円以上の大きな投資を予定している

例えば、次のようなケースです。

  • 建物一棟をリノベーションして民泊施設を作る

  • 体験型・高付加価値な宿泊サービスを展開する

単なる民泊の開業ではなく、新しさ(サービスやターゲットの違い)が求められます。


どちらの補助金にも共通する重要なポイントは以下のとおりです。

  • 事前に事業計画を作る必要がある

  • 補助金は後払い(いったん自己負担が必要)

  • 交付決定前の契約・支払いは対象外になる

また、民泊特有の注意点として、自宅兼用の場合は事業部分のみ費用を按分するルールもあります。

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小規模事業者持続化補助金

すでに別の事業を行っている方や、すでに民泊を運営している事業者が、販路開拓や業務効率化の一環として民泊を活用する場合、小規模事業者持続化補助金が使える可能性があります。

この補助金は、新たな顧客獲得や売上拡大につながる取り組みを支援する制度です。

そのため、「これから民泊を始めたい」という場合でも、既存事業とのつながりがあれば対象になるケースがあります。

主な条件は次のとおりです。

  • 宿泊業の場合、従業員数が20人以下であること

  • すでに事業を営んでいること(売上が発生している状態)

民泊に関連する取り組みでは、次のような内容が対象になりやすいです。

  • 集客用のホームページや予約サイトの制作

  • チラシ・パンフレット・看板などの販促物の作成

  • 宿泊者の利便性向上につながる設備導入や改修

この補助金は、すでに事業を行っている事業者向けの制度です。

そのため、以下のような場合は対象外となります。

  • まだ開業していない(創業予定段階)

  • 開業届を出していても、申請時点で事業実態がない

特に、「開業届を出しただけ」では不十分で、実際に売上が発生していることが重要です。

民泊ならではのルールもあるため、事前に確認しておきましょう。

  • 費用は事業部分のみ対象:自宅の一部を民泊として使う場合は、事業スペースの面積に応じて費用を按分します

  • プライベート空間は対象外:居住スペースに設置するエアコンや家電は対象になりません

  • 届出書類が必要:住宅宿泊事業法に基づく届出書の写しなどの提出が必要です

民泊を単体の事業としてではなく、既存事業の強みを活かした販路拡大の手段として位置づけることが重要です。

たとえば、製造業や飲食業が「体験型の宿泊サービス」として民泊を展開する場合、補助金の趣旨に合致しやすくなります。

活用事例:既存事業の強みを活かした民泊展開

家具製造業を営む事業者が、自社製品の魅力を体験してもらう場として民泊を開始した事例です。

事業者の概要
家具製造業(従業員5名)

課題
展示会以外で顧客と接点を持てず、売上が伸び悩んでいた

取り組み内容

  • 多言語対応の予約サイトを制作し、海外からの集客を強化

  • 老朽化したトイレを洋式化・バリアフリー改修

  • 観光客向けの多言語看板を設置

成果

  • 海外からの宿泊予約が月15件増加

  • 宿泊体験をきっかけに家具の注文が約20%増加

  • 顧客満足度が向上し、口コミ評価も改善


民泊を活用して販路を広げたい場合は、住宅宿泊事業法に基づく届出を行い、事業スペースを明確に分けることがポイントです。

既存事業との相乗効果を意識することで、補助金の採択にもつながりやすくなります。

令和8年度(2026年度)の小規模事業者持続化補助金の概要をチェックする!

参考:小規模事業者持続化補助金

新事業進出補助金

すでに別の事業を行っている事業者が、既存事業とは異なる新しい分野として民泊に挑戦する場合、新事業進出補助金が使える可能性があります。

この補助金は、新しい市場への進出や高い付加価値を生み出す取り組みを支援する制度です。

そのため、単なる民泊の開業ではなく、既存事業の強みを活かした新しいビジネスとしての展開が求められます。

主な条件は次のとおりです。

  • 宿泊業の場合、従業員数200人以下または資本金5,000万円以下

  • 創業から1年以上経過していること(決算書の提出が必要)

  • 従業員が1名以上いること

  • 「新規性(商品・サービス・市場)」がある事業であること

民泊に関連する取り組みでは、次のような内容が対象になりやすいです。

  • 宿泊施設の改修や体験スペースの整備(建物費)

  • 予約管理システムやスマートロックの導入(システム・設備費)

  • 多言語サイトや動画制作などの広告・販促(広告宣伝費)

この補助金は「新しい事業への挑戦」を前提としているため、次のような場合は対象外になります。

  • 創業して間もない(1年未満)

  • 既存事業の延長にすぎない取り組み

  • 不動産賃貸などの資産運用型ビジネス

新事業進出補助金は要件が厳しいため、特に以下の点に注意が必要です。

  • 設備投資が必須:建物費または機械装置費のいずれかを含む必要があります

  • 補助事業専用で使うこと:導入した設備を既存事業や私用で使うことは認められません

  • 数値目標の達成が必要:給与や付加価値額を一定以上伸ばす計画が求められます

民泊を「新しい市場への挑戦」として位置づけることが重要です。

たとえば、インバウンド客や体験型観光など、既存顧客とは異なるターゲットに向けたサービス設計が評価されやすくなります。

■活用事例:食品メーカーによる体験型民泊への進出

地元の特産品を製造する事業者が、新たな顧客層を開拓するために民泊を活用した事例です。

事業者の概要
食品製造業(従業員10名)

課題
卸売中心のビジネスで価格競争が激しく、自社商品の魅力を直接伝える機会が少なかった

取り組み内容

  • 工場に隣接する建物を改修し、料理体験と宿泊を組み合わせた施設を整備

  • 宿泊と体験予約を一元管理できるシステムを導入

  • インバウンド向けに食文化体験をテーマとしたサイトや動画を制作

成果

  • 海外観光客という新たな市場を獲得

  • 付加価値額が向上し、成長目標の達成見込み

  • 宿泊体験をきっかけにECでの購入が増え、既存事業の売上も伸長

民泊を単なる宿泊事業ではなく、新しい価値を提供するビジネスとして設計することが、採択につながるポイントです。

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参考:新事業進出補助金

民泊に使える自治体の補助金は?

自治体の補助金は、地域の活性化や観光振興を目的としているため、国の補助金よりも身近で使いやすい制度が多いのが特徴です。

一方で、対象地域や条件が限定されるため、自分の地域で使える制度を個別に確認する必要があります。

ここでは、民泊に活用できる代表的な自治体の補助金を3つ紹介します。

秋田県藤里町:地域活性化事業推進補助金

藤里町では、観光振興を目的として、農家民宿や民泊の整備に対して手厚い支援を行っています。

特に、体験型の宿泊施設づくりを重視している点が特徴です。

台所や宿泊室などの改修費が対象になり、体験型民泊(農業体験など)と相性が良い制度です。

補助メニュー

上限額

内容

農家民宿・民泊施設整備

150万円

改修費や宿泊用備品の購入など(補助率75%以内)

ツーリズム施設整備

100万円

体験型施設の改修・修理(補助率70%以内)

参考:秋田県藤里町

愛媛県鬼北町:起業チャレンジ支援事業補助金

鬼北町では、新たに宿泊事業を始める方を対象に、開業にかかる費用を幅広く支援しています。

新規開業者にとって使いやすい制度です。

対象経費

上限額

内容

新築・改修工事

200万円

空き家の改修、内装・外装工事など

設備購入・開業費

100万円

備品購入、ホームページ制作など

参考:愛媛県鬼北町

鳥取県倉吉市:農家民泊支援補助金

倉吉市では、農山村地域への観光客誘致を目的に、民泊施設の整備を支援しています。

比較的小規模な改修に使いやすい制度です。

水回りの改修など実務的な用途に使いやすいですが、利用には協議会への加入が必要です。

項目

内容

補助上限額

45万円

補助率

1/2

対象経費

浴室・トイレ・台所の改修、畳の張替、バリアフリー化など

参考:鳥取県倉吉市

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