103万円の壁引き上げはいつから?メリット・デメリットや影響をわかりやすく解説

政府が進める103万円の壁引き上げの詳細を解説。働き方や家庭への影響、メリット・デメリットをわかりやすくまとめました。学生や家庭の税負担軽減を目指す改正内容をチェック!
中本 明日香

公開日:

更新日:

103万円の壁 引き上げ

政府103万円の壁引き上げへ調整!

現在、103万円の壁の引き上げについて具体的な取り決めが進められており、特に「178万円」への引き上げが注目されてましたが、自民・公明両党の税制調査会は、年収「103万円の壁」を「123万円」に引き上げることを2025年度の税制改正大綱に明記する方針を決定しました。(2024年12月20日時点)

また、2026年1月からの引き上げが検討されています。
この変更は、働き方や家庭の経済状況にどのような影響を与えるのでしょうか?
この記事では、引き上げが行われた場合の具体的な影響やメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

103万円の壁とは?

まず年収の壁「103万円の壁」についてわかりやすく解説します!

103万円の壁の意味

年収が一定額を超えると手取りが減る場合がある、そうした境目を「年収の壁」と呼びます。代表的なものとして以下が挙げられます:

  • 103万円の壁
  • 106万円の壁
  • 130万円の壁

その中で、103万円の壁は年収が103万円を超えると所得税がかかり始める、という税金上のボーダーラインを指します。

なぜ103万円なのか?

103万円という数字は以下の控除額の合計から算出されています。

  • 基礎控除:48万円(全員が適用)
  • 給与所得控除:55万円(給与所得者に適用)

これにより、103万円までは所得税が課されない仕組みになっています。

103万円を超えるとどうなる?

年収が103万円を超えると、その超過部分に対して所得税がかかります。
その結果、手取りが減る可能性があります。

103万円の壁の仕組み

103万円の壁が引き起こす影響

  • 個人への影響
  • 所得税の負担が増え、手取りが減少。生活費への圧迫につながる可能性があります。
  • 家族への影響
  • 扶養に入っている場合、扶養から外れる可能性があり、扶養者の税負担が増加することもあります。

103万円の壁引き上げとは?いつから?

「103万円の壁」引き上げの背景と最新動向

2024年12月11日、自民、公明、国民民主の3党の幹事長が会談を行い、「103万円の壁」を「178万円」へ引き上げることで合意しました。来年からの引き上げを目指す内容が合意文書に明記され、国民民主党の榛葉賀津也幹事長は「補正予算に賛成する」と述べました。この合意により、補正予算案の今国会での成立が確実視されています。
合意の詳細

  • 「178万円を目指して引き上げる」方針
  • 国民民主党が主張する178万円への引き上げが明記されました。これにより、働き方に対する制約が緩和される見通しです。
  • 実施時期の調整
  • 国民民主党は2025年1月からの見直し実施を求めていましたが、自公は法改正の必要性を考慮し、2026年1月からの実施も視野に入れています。


参考:毎日新聞
参考:讀賣新聞オンライン

103万円の壁引き上げによるメリットとデメリット

103万円の壁が178蔓万円へ引き上げられることで、働く人、特に学生やパート・アルバイトで働く人にとって、生活や働き方が大きく変わる可能性があります。

メリット

1. 学生の働きやすさが向上
  • アルバイトなどで自由に働ける時間や収入が増加。
  • 扶養控除の条件を気にせず、キャリアや経験を積むための活動がしやすくなる。
2. 親の負担軽減
  • 扶養控除の範囲が広がることで、学生がアルバイト収入を増やしても親の税負担が抑えられる。
3. 世帯全体の収入増加
  • 学生が年収の制約を意識せずに働けるため、家計全体の収入が増える可能性が高い。
4. 労働力不足の緩和
  • アルバイトやパートとして働く学生が増加し、サービス業や飲食業などの人手不足解消につながる。

デメリット

1. 財源確保の課題
  • 控除対象の拡大により、国や自治体の税収が減少する可能性がある。
  • 減収分をどのように補うかが課題となる。
2. 親への控除の恩恵が相対的に薄れる
  • 扶養控除の条件が広がることで、一定以上の年収を得る家庭と控除額の恩恵のバランスが崩れる可能性がある。
3. 高収入学生の税負担
  • 勤労学生控除(27万円)を超えた場合、学生自身に所得税が課されるため、税制の恩恵を受けられない層が生まれる可能性がある。
4. 「次の壁」の出現
  • 178万円が新たな年収の壁となり、その後の調整が必要となる可能性があります。

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