目次
- ポイント
- 新製品・新技術開発助成事業とは?
- どのような取り組みが対象になる?
- 補助額・補助率はいくら?
- 他の補助金との違いは?
- 新製品・新技術開発助成事業の採択率は?
- 新製品・新技術開発助成事業の申請方法は?
- STEP1:GビズIDプライムを取得する
- STEP2:申請書類を作成する
- STEP3:Jグランツで電子申請する
- 新製品・新技術開発助成事業で採択されるポイントは?
- 技術的な開発要素があるか
- 汎用性と市場性を説明できているか
- 自社開発が主体になっているか
- 補足資料で技術力を可視化できているか
- 加点につながる取り組みがあるか
- よくある質問
- Q:新製品・新技術開発助成事業は個人事業主でも申請できますか?
- Q:新製品・新技術開発助成事業の他に、研究開発に使える補助金はありますか?
- Q:補助金はいつ受け取れますか?
- Q:申請すれば必ず採択されますか?
- Q:どのような事業が対象外になりますか?
- おすすめコラム
ポイント
採択率は決して高くなく、事業の独自性と実現性が重視される
東京都の助成制度であり、対象者や要件は全国の補助金と異なる
採択されるためには「市場性・技術性・実現可能性」の3点が重要
新製品・新技術開発助成事業とは?
新製品・新技術開発助成事業は、東京都が実施する研究開発支援制度で、都内の中小企業や創業予定者が「新しい製品・技術」を事業化するための開発費用を補助する制度です。
単なる設備導入ではなく、「技術開発を伴うプロジェクト」が対象になる点が大きな特徴です。
この制度は、企業が新しい製品やサービスを生み出すために必要な研究開発を後押しするために設けられています。特に、試作品の開発や性能評価など、実際に市場投入に向けた段階の取り組みが重視されます。
どのような取り組みが対象になる?
対象となるのは、アイデア段階ではなく、具体的な開発フェーズに進んでいる事業です。
例えば、以下のようなケースが該当します。
新製品の試作品の設計・製作
新技術の検証や性能テスト
既存製品を改良した高付加価値化の開発
サービス化を前提としたシステム開発
このように、「実際に作る・試す・評価する」といった工程が含まれていることが重要です。
補助額・補助率はいくら?
本助成事業は、研究開発系の補助金の中でも比較的高額な支援が受けられる制度です。
項目 | 内容 |
助成上限額 | 最大2,500万円 |
助成率 | 原則1/2以内 |
特例 | 賃上げ実施で最大4/5(小規模企業者) |
特に、小規模企業者が賃金引上げ計画を実施する場合は、最大80%の補助を受けられる可能性があります。
これは、企業の成長だけでなく、従業員への還元も重視している制度設計であるためです。
他の補助金との違いは?
この制度は、よく比較される「ものづくり補助金」などとは目的が異なります。
設備投資中心ではなく「研究開発」が中心
市場投入前の試作・検証フェーズを重視
技術的な新規性や独自性が強く求められる
そのため、単なる設備導入や業務効率化ではなく、技術的なチャレンジを伴う事業に適した制度といえます。
なお、本事業の詳細や最新の公募情報は、東京都中小企業振興公社の公式ページで確認できます。
このように、新製品・新技術開発助成事業は、高額な支援を受けながら本格的な研究開発に取り組める制度です。
ただし、その分「技術性」「実現可能性」などが厳しく審査されるため、事前の準備が重要になります。
新製品・新技術開発助成事業の採択率は?
本事業の採択率は公式には公表されていませんが、採択件数の実績から見ると「難易度は高めの助成金」といえます。
申請すれば通るという性質ではなく、一定の審査基準を満たした事業のみが選ばれています。過去の採択件数は以下の通りです。

このように、毎年40社前後に絞って採択されています。
東京都内には多くの中小企業が存在し、研究開発系の補助金は人気が高いことを踏まえると、申請数はこの数を大きく上回ると考えられます。
そのため、採択率は公表されていないものの、体感としては決して高くない水準(厳選型)と捉えておくのが現実的です。
新製品・新技術開発助成事業の申請方法は?
本事業の申請は、電子申請システム「Jグランツ」のみで受け付けられます。郵送や持参、メールでの提出は認められていないため、事前準備を含めて計画的に進めることが重要です。
申請は、大きく3つのステップで進みます。
STEP1:GビズIDプライムを取得する
Jグランツを利用するには、「GビズIDプライム」の取得が必須です。
GビズIDは、補助金や助成金の電子申請で使う共通アカウントであり、取得には審査があります。
申請から発行まで数週間かかる場合がある
書類不備があるとさらに遅れる可能性がある
このため、申請受付が始まる前に取得しておくことが重要です。
STEP2:申請書類を作成する
次に、申請に必要な書類を準備します。様式は公式サイトからダウンロードできます。
主な書類は以下の通りです。
申請書(必須)
賃金引上げ計画書(該当する場合)
補足資料(任意:企画書・図面など/A4で30ページ以内)
見積書(原則2社以上)
特に重要なのが、事業計画の内容です。審査では以下の点が重視されます。
技術的な新規性
市場性(ニーズがあるか)
実現可能性
単なる説明ではなく、数値や根拠を示して具体的に記載することがポイントです。
STEP3:Jグランツで電子申請する
書類が準備できたら、Jグランツ上で申請を行います。
令和8年度の受付期間は以下の通りです。
受付開始:令和8年3月27日
締切:令和8年4月17日 17時まで
締切直前はアクセスが集中し、申請エラーや遅延が発生する可能性があります。そのため、少なくとも数日前には提出を完了させるのが安全です。
もし令和8年4月17日の締め切りを逃してしまった場合、次回の公募は翌年度(令和9年度)の同時期(3月〜4月頃)になることが予想されます。
新製品・新技術開発助成事業で採択されるポイントは?
本助成事業で採択されるためには、「研究開発として成立しているか」と「事業として成長性があるか」の両方を明確に示す必要があります。
単に新しい取り組みであるだけでは不十分で、審査基準に沿った形で具体的に説明することが重要です。
技術的な開発要素があるか
本事業は、設備導入ではなく研究開発を支援する制度です。
そのため、以下のような内容は評価されにくくなります。
既存設備の導入のみ
既製品の単なる組み合わせ
技術的な工夫がない開発
一方で、評価されやすいのは以下のような内容です。
試作品の設計から製作までのプロセスがある
技術的な課題(ハードル)を乗り越える計画がある
従来技術では実現できなかった機能の開発
どのような技術課題に対して、どのように解決するのかを具体的に説明することがポイントです。
汎用性と市場性を説明できているか
本事業では、「特定の顧客だけに使われる製品」は評価されにくい傾向があります。
重要なのは、以下の2点です。
複数の企業や市場で活用される可能性があるか
どのように普及・販売していくのか
例えば、
市場規模(〇億円規模など)
ターゲット顧客層
競合との差別化ポイント
といった情報を具体的に示すことで、ビジネスとしての成長性を伝えることができます。
自社開発が主体になっているか
研究開発の中心は、申請企業自身が担う必要があります。
注意すべきポイントは以下の通りです。
開発のコア部分を丸ごと外注していないか
自社に技術的な実行体制があるか
開発メンバーの役割が明確か
外注は一部であれば問題ありませんが、「誰が主体となって開発するのか」が曖昧だと評価が下がる可能性があります。
補足資料で技術力を可視化できているか
申請書だけでは伝わりにくい技術内容は、補足資料で補強することが重要です。
提出できる資料の例
企画書
仕様書
設計図・図面
試作品のイメージ
(A4で最大30ページ以内)
特に、図や表を使って説明することで、審査員の理解度が大きく向上します。
加点につながる取り組みがあるか
本事業では、政策に沿った取り組みを行うことで、資金面のメリットを高めることができます。
例えば、
賃金引上げ計画の実施→ 助成率が最大4/5まで引き上げ
単に採択されるだけでなく、より有利な条件で活用する視点も重要です。
よくある質問
Q:新製品・新技術開発助成事業は個人事業主でも申請できますか?
はい、申請可能です。本事業の対象には、都内で実質的に事業活動を行っている中小企業者(会社・個人事業主)が含まれます。
また、現在は個人であっても、都内での創業を具体的に計画している場合は対象になります。詳細は、東京都中小企業振興公社 の公募要領をご確認ください。
Q:新製品・新技術開発助成事業の他に、研究開発に使える補助金はありますか?
はい、研究開発や製品開発に活用できる補助金は複数あります。主な制度は以下の通りです。
補助金名 | 特徴 | 向いているケース |
ものづくり補助金 | 製品開発+設備投資を幅広く支援 | 設備導入を伴う開発 |
事業再構築補助金 | 新市場進出・業態転換を支援 | 事業転換をしたい場合 |
Go-Tech事業 | 大学連携の本格研究開発 | 高度な技術開発 |
SBIR推進プログラム | 政策課題型の研究開発支援 | スタートアップ・先端分野 |
明日にチャレンジ助成 | 技術・サービスの高度化支援 | 中小製造業など |
医療機器参入助成 | 医療分野への参入支援 | 医療機器開発 |
5G・IoT開発支援 | 先端技術の製品開発支援 | IoT・クラウド開発 |
このように、開発内容や目的によって最適な補助金は異なります。自社の事業フェーズに合った制度を選ぶことが重要です。
Q:補助金はいつ受け取れますか?
原則として、事業完了後の実績報告を提出した後に支給される「後払い」です。そのため、開発期間中の費用は一時的に自社で立て替える必要があります。
Q:申請すれば必ず採択されますか?
いいえ、必ず採択されるわけではありません。本事業は毎年40社前後に絞って採択されるため、一定の審査を通過する必要があります。特に「新規性」「市場性」「実現可能性」が重要な評価ポイントとなります。
Q:どのような事業が対象外になりますか?
例えば、以下のような事業は対象外となる可能性があります。
技術的な開発要素がない事業
既製品の模倣にとどまる事業
特定顧客向けで汎用性が低い事業
このように、新規性や市場展開の可能性が乏しい事業は評価されにくい点に注意が必要です。
おすすめコラム

監修者からのワンポイントアドバイス
本助成事業は金額が非常に大きく魅力的なものとなっております。単なる設備導入ではなく、「技術開発を伴うプロジェクト」が対象になる点が大きな特徴です。ものづくり補助金を更にアップデートしたような取組を検討することにより採択へ近づくことでしょう。

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

